感じたままのイノベな日々

Oracle時代に書き溜めたものたち。

Oracle Database SEユーザーにお得な情報

新年明けましておめでとうございます!

2019年1本目のエントリは、お得な情報を皆様にお届けしたいっ!!という気持ちから、Oracle Database Standard Edition (SE) ユーザーにお得な情報を書いてみたいと思います。

※2019/1/10時点の情報です。

 

 

Oracle Database SEでAutonomousが使える?!

以前のエントリで、BYOLの中でもBYOL to PaaSという考え方があることを紹介しました。簡単に言うと、通常のBYOLはソフトウェアライセンスをクラウドに持ち込んで、そのクラウド基盤上で利用する方法ですが、

BYOL to PaaSでは、既存のソフトウェアライセンスをOracle PaaSで使えるようにする、というプログラムでした。

ちょっとよくわからないな~という方は、読み進める前に、是非一度『ちょっと変わったBYOLが意外と使える?!』をお読みください。

mai-naga17.hatenablog.com

Oracle Database SEに関する情報は皆知りたがっている(勝手な仮説

ソフトウェアライセンスとしてのOracle Databaseは、現在だとStandard Edition2Enterprise Editionの2種類があり、

ちょっとしたシステムで利用する場合などSEの人気も根強く、特にグローバルと比較した場合に、日本でのSEユーザーは割合が高いそうなのです。

そこで、昨年末にふとこんなことをつぶやいてみたわけですね。

 すると、すごい多いというわけではないですが、15いいねと6リツイートだったため、年明けになったらいいねを押してくれた15名のためにも書こう!と決めていたというプチ背景もあったりしました。

お得ポイント①:機能

Oracle Database SEをBYOLして、Autonomous Databaseが利用できるようになるということは、実は機能的にもかなりお得になるのです。

ただ、そもそもOracle Databaseにおけるオプションの考え方がわからないと、何がお得になるのかを理解するのが難しいので、どこよりもわかりやすい説明を目指すべく、まずはここから整理してみたいと思います。

Oracle Databaseにおけるオプションの考え方

Oracle Databaseにおけるオプションなどの機能について、ソフトウェアライセンス、Oracle Database Cloud Service、Oracle Autonomous Database Cloud Serviceの3種類で考え方が少し異なります。

ソフトウェアライセンスとしてのOracle Database

ソフトウェアライセンスとしてのOracle Databaseは、現在も提供しているものだとStandard Edition2とEnterprise Editionの2種類があります。

Oracle Databaseには、圧縮機能であるAdvanced Compressionやセキュリティ制御機能を提供するDatabase Vaultなど、便利で高機能なオプション製品がいくつかありますが、これらのオプション機能を使用できるのはEnterprise Editonのみ、となっています。

Enterprise Editionを購入すれば、オプション製品がすべて利用できるのではなく、Enterprise Editionを購入した上で、それぞれのオプションをひとつずつ追加で購入する必要があります。

価格が気になるな~という方は、ぜひネットで検索してみてください。それぞれのオプションの価格含めて、すぐに出てきますので。。。

Oracle Database Cloud Service

ソフトウェアライセンスからクラウドになって何が変わったのかというと、オプション機能がそれぞれのエディションに組み込まれて提供されるようになりました。

Oracle Database Cloud Serviceのエディションは2種類ではなく、Standard Edition、Enterprise Edition、High Performance、Extreme Performanceの4種類となりました。

ちなみに、すべてのエディションにOracle Database Transparent Data Encryptionが含まれていて、表領域暗号化機能はデフォルトで実装されています!!さすがクラウド

情報は変わる可能性がありますので、常に最新の情報をチェックしてほしいのですが、現時点での含まれているオプション機能は以下の通りです。

Standard Edition

Oracle Database Standard Edition 2が含まれます。

Enterprise Edition

Oracle Database Enterprise Edition、Data Masking and Subsetting Pack、Diagnostics and Tuning Packs、Real Application Testingが含まれます。

High Performance

Multitenant、Partitioning、Advanced Compression、Advanced Security、Label Security, Database Vault、OLAP、Advanced Analytics、Spatial & Graph、Database Lifecycle Management Pack、Cloud Management Pack for Oracle Database、のオプションでEnterprise Editionが拡張されたものです。

Extreme Performance

In-Memory Database、Active Data GuardおよびRAC (それぞれ2つ以上のOCPUを搭載した2つのVMが必要)、のオプションでHigh Performanceを拡張したものです。

出典:https://cloud.oracle.com/ja_JP/database/pricing

このようなスライドもありますので、参考までに載せておきます。

f:id:mai_naga17:20190111105036p:plain


 価格情報も上記の出典URLに記載があるのでご覧いただきたいですが、

Oracle Database Cloud Serviceでは、選択するエディションによって、今までは個別に追加料金が必要だったオプション機能が既に組み込まれているということになりますので、ソフトウェアライセンスに比べて、オプションをたくさん使いたい方ほど相対的にお得になる!ということがわかりますね。

Oracle Autonomous Database Cloud Service

さて、皆さんまだ力尽きてないですか?笑 やっとAutonomous Databaseまでたどり着きましたが、Autonomous Databaseでのオプションの考え方はどうなっているのでしょうか?

f:id:mai_naga17:20190110151545p:plain


ドーン!!
ということで、このスライドは何を表現しているのかわかりますでしょうか?

Autonomous Databaseの種類

Oracle Autonomous Database Cloud Serviceは、データウェアハウスに最適化されたOracle Autonomous Data Warehouseトランザクション処理に最適化されたOracle Autonomous Transaction Processingの2種類があります。

、、、とここで気づきましたでしょうか?Autonomous Databaseでは用途ごとに最適化された種類を提供していますが、個別のオプションサービスやエディションの選択という概念がないのです。

Autonomous Databaseには、Standard Editionの基本機能、Enterprise Editionの基本機能、Enterprise Editionで使用できるオプション機能、さらにはOracle Databaseを最適に動かすアプライアンス製品であるOracle Exadataの固有機能が、すでに含まれているのです!!

ということを、主張しているスライドです。

つまり、クラウドサービスになって単純に単価が下がりました、ということだけでなく、今までは個別に購入しなくてはならなかった高機能オプションやExadataに付く固有機能もデフォルトで含まれているので、

お金に換算すると、実質的にはかなり値下げしている!とすら言えるかもしれません。これも、オンプレミスで培った技術開発力をそのままクラウドで活かせているからこそですね。

ただ、Autonomous Databaseはリリースして間もないサービスなので、一部のEnterprise Editionオプション機能はこれから実装されるということですので、ご注意ください。順次、実装中です!!

 

お得ポイント②:コスト

これは、『ちょっと変わったBYOLが意外と使える?!』のどのくらいお得になるの?パートでも書いた考え方の注意点は、同じく適用されますので、忘れてしまった方は、もう一度読んでみてください。

このエントリで試算してみるか迷ったのですが、、どこよりもわかりやすいことを目指しているので!!やってみたいと思います。

条件としては、

  • Oracle Autonomous Data Warehouse 4OCPU / 1TB
  • 24時間連続稼動
  • 1年間の費用比較

でやってみます。

ちなみに、Autonomousの価格は以下です。

f:id:mai_naga17:20190110160159p:plain

※価格は常に最新情報をご確認ください^^

通常のMonthly Flexで購入した場合

Monthly Flexが何かわからない方は、以下のエントリをご覧ください。

mai-naga17.hatenablog.com

1)Autonomous Database 4OCPU / 1year

  ¥7,200,110.59¥201.616 *744h *12Month *4OCPU

2)Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud - Exadata Storage 1TB

  ¥213,120=¥17,760.00 *12Month

3)合計

  ¥7,413,230.59=¥7,200,110.59+¥213,120

 

BYOL to PaaSを利用した場合

1)Autonomous Database 4OCPU / 1year

  ¥1,382,482.94¥38.712 *744h *12Month *4OCPU

2)Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud - Exadata Storage 1TB

  ¥213,120=¥17,760.00 *12Month

3)Oracle Database SE2のサポート費用 1Processor分

  ¥462,000(ライセンス購入時の条件によって変動します。ここではBYOL to PaaSが有利になりすぎないように定価ベースを採用)

4)合計

  ¥2,057,602.94=¥1,382,482.94+¥213,120+¥462,000

 

比較してみた結果

通常のMonthly Flexで購入した場合:¥7,413,230.59

BYOL to PaaSを利用した場合:¥2,057,602.94

ということで、Database SEのAutonomous BYOLを利用したほうが、72.2%低価格!!ということがわかりましたっ!!これは、お得です!と言い切っても問題ないくらいでしょう!!

Autonomous DatabaseへのDatabase SE BYOLにおける諸条件

最後に、本プログラムを実行する際の注意点を見ておきましょう!!

対象サービス

  • Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud Service
  • Oracle Autonomous Transaction Processing Cloud Service

対象ライセンス

  • Oracle Database Standard Editon2
  • Oracle Database Standard Edition
  • Oracle Database Standard Edition One

サポート契約継続中のライセンスが対象

サポート費用を考慮しても、72.2%低価格が実現できます!

利用条件

  • 1 Processorライセンスで4OCPUまでの環境を利用可能
  • 10 Named User Plusライセンスで1OCPUの環境を利用可能
  • 対象OCPUの範囲なら、複数インスタンスで利用可能
  • 1インスタンスあたり最大8OCPUまで

まとめ

いかがでしたでしょうか?

現在提供中のDatabase Standard Edition2だけでなく、従来SEモデルも対象ということに驚かれた方も多いのではないでしょうか?今後の皆様の選択肢の検討の助けとなれば幸いです!

今までのOracleユーザーに、本気でクラウドも使って実際に体感してほしい!!という想いが、この72.2%OFFというインパクトから伝わってくるようですね。

 

それでは、また!!

本年も変わらぬ応援をよろしくお願い申し上げます^^