どこよりもわかりやすいOracle Cloud見積り方法基礎(2)
第一回目は、Cost Estimatorの起動方法と、PAYG / Monthly Flexという課金モデルの基本情報についてお伝えしていきました。
第一回目の中で、私が説明をスルーしていた箇所がありましたね。
"詳細は「購入」をクリックしてください"という、あまりにも押してみたくなるようなボタンがあったので、先に進んでしまいました。
ということで、今日は「構成オプション」をDeep Diveしていきたいと思います!
※2018年11月13日時点の情報です。
構成オプションの仕様
まずは、「Oracle Cloud Infrastructure - Compute、VM」欄を見ていきたいと思います。
実はこのCost Estimatorは、以下のように全体的に階層が深い仕様になっています。(だから文字通りDeep Diveなんです)
下矢印:階層開き済み
右矢印:クリックすると、さらに下の階層が開けます
という意味になっています。
では、試しに「Compute」と書かれている右矢印をクリックしてみましょう。
ドーン!!
「利用」と「構成」という2項目が現れましたね。
この勢いで、今日は「compute」を見てきたいと思います。
Compute
利用
「インスタンス」「月間平均使用日数」「1日当たりの平均使用」の3つが現れました。
他のPublic Cloudの場合、使用量としては「使用率 / 月」「時間 / 日」「時間 / 週」「時間 / 月」の4種類から選択できますが、
Oracle Cloudの場合は、「月間平均使用日数」と「1日当たりの平均使用」の2要素を組み合わせて、「時間 / 月」という考え方になるということですね。
構成
ここはあの最も有名な他のPublic Cloudと違うところかもしれません。最初にOSを選択してから、vCPU、メモリ、インスタンスストレージ、I/Oを考慮して、適したインスタンスタイプを選ぶ方式ですよね。
Oracle Cloudの場合は、各インスタンスタイプごとにOCPUという数量を入力する欄しかありません。他のPublic Cloudで慣れている方だと、OSは?メモリは?インスタンスストレージの有無やスペックは?I/Oは?というかOCPUって何??ってなりますよね。
なぜ、Oracle CloudはこんなにもCost Estimatorに選択項目が少ないのでしょうか??
インスタンスタイプと課金の謎
まず、なぜCost Estimatorにこんなにも項目が少ないのかは、以下を見るとわかるかもしれません。
いかがでしょうか?
「 Oracle Cloud Infrastructure - Compute - Virtual Machine Standard」というインスタンスタイプでは、11種類あり、「OCPU」あたりの値段が全部同じ!だけど、使えるOCPUの単位数やメモリの量は異なる。
ということなのですね~。メモリ等が異なってもOCPU当たり価格が同じだから、Cost Estimatorには、メモリ量などの詳細項目がなかったのですね。ある意味かなり太っ腹な課金モデルということがわかります。
上の表は以下のサイトにあります。
インスタンスタイプの見方
11種類のインスタンスタイプがあり、、と書きましたが、名称には見方にコツがあるようです。
Oracleのシェイプの名前は、「インスタンスの種類」「世代」「シェイプサイズ」で構成されています。
最大手Public Cloudのインスタンスの名前の構成と、少しだけ似ていますね。
この見方でいくと、上の11種類のインスタンスタイプには、第一世代と第二世代の両方が記載されていることがわかります。
第二世代クラウドについては、Oracle Open World 2018でも言及されています。
「OCPU」とは?
Oracle CloudのCost Estimatorでは、「OCPU」の数量の増減しか選べません。ではその「OCPU」とは何でしょうか?
⇒ OCPU(Oracle CPU:Oracle CloudにおけるCPUの単位)
OCPUは、ハイパー・スレッディングが有効なIntel Xeonプロセッサの1物理コア、またはOracle SPARCプロセッサの1物理コアに相当するCPU性能として定義されます。Intel Xeonプロセッサの場合、各OCPUが2つのハードウェア実行スレッド(vCPU)に対応しています。
どうやら、「オー・シー・ピー・ユー」と読み、CPUの数え方が独自のもののようです。
Oracle Cloudでは、OCPUという単位で1 OCPUには1つの物理コア相当のキャパシティが割り当てられます。一方、他のクラウドサービスでは、仮想コアで数えるのが普通です。たとえばOracle Cloudの2 OCPUは、ハイパースレッドをオンにすれば4つの仮想コアに見えることになります。
「OCPU」の考え方が、上記の説明に加えて図解でもわかりやすく解説されているので、ぜひ一度、以下をご一読いただくとよいかもしれません。
残りの要素を見ていきましょう。
OSは?
今まで見てきたサイトの末尾に記載があるようです。
Windows Server OSの場合は、基礎となるコンピュート・インスタンスの価格へのアドオンになるので、別途支払いが必要なようです。
Cost Estimatorでも、「Windows OS」として課金項目が用意されています。見てビックリですが、OCPU当たりのWindows OS価格が安いですね!!
メモリは?
メモリは、各インスタンスタイプの「含まれるサービス量」の欄にメモリ量の記載がありましたね。
インスタンスストレージの有無とスペックは?
インスタンスタイプには、今まで見てきた「Standard」のほかに、「DenseIO」という
インスタンスタイプがあるようなので、見てみましょう。
「DenseIO」では、「Standard」のときにはなかった「ローカル・ディスク」というサービス名が出てきました。
インスタンスストレージの有無は、OracleではインスタンスタイプがStandardかDenseIOか、でわかりそうですね。
I/Oは?
各シェイプごとのネットワーク帯域は、以下に記載があります。
出典:
Cloud DatabaseのFAQ - Oracle Cloud Infrastructure
赤線の上部と下部が第一世代と第二世代の分かれ目です。
インスタンスの外に出るネットワーク帯域幅がプロビションされています。しかも、これはSLAで保障されているようです。
AMD EPYCプロセッサーを世界で最初にリリース
さて、みなさん前段にて仮想マシン・インスタンスタイプの種類は11種類ある、とお伝えしましたが、
実はEnglishで確認すると、新たなシェイプシリーズが追加されているのです!!(かつ、第一世代のインスタンスタイプはもう載っていませんね。。
ぜひご自身で確認していただきたいのですが、一部抜粋すると、、
Oracle Open World 2018で、Oracle Cloud Infrastrucure上で「AMD EPYC」プロセッサーベースのインスタンスを提供すると発表し、リリースしました。
1コアあたり1時間0.03米ドルのAMD EPYCインスタンスは、一般的な汎用インスタンスよりも最大66%の低コストを達成し、優れたコスト効率を実現したという。
圧倒的に安い。。コストを安く抑えたい人にはかなり朗報ですね!
※最新情報を確認するには、やはり日本語より英語で確認するほうがよさそう、ということもわかりました。
さて今日は、皆様きっとあの最も有名なPublic Cloudは見慣れていらっしゃるのだろうな~、、と思いながら、それぞれのカリキュレーターを見比べつつ書いてみました!いかがでしたでしょうか?少しでもお役に立てば幸いです!
次回は、Storage、Network、、、と順に見比べつつ書ければいいな~と思っています。それではまた!